今(2017年)日本中で朝活がブームになってきているようです。大企業でも、ようやく就業時間の見直しがされ始めました。そもそも日本の労働時間の長さと生産性の反比例ぶりは、世界でも逆に注目されていました。勤勉な人種ということで片づけられてしまうことの多い日本人。これまでならその働き方でもよかったでしょうが、これだけ世界との取引が日常化してくると、日本社会の働き方に関しては、古い慣習が悪しき慣習になっていると言わざるを得ません。その一環として、企業ではフレックスタイム制を取り入れたり、朝一時間始業時間を早めているところもあるそうです。そのような背景もあってか、朝活がブームとなり、また、朝活にマインドフルネス瞑想会を取り入れているところも多いのだとか。一体、どのような内容なのでしょうか。また、その朝活のマインドフルネス瞑想会が人間関係をも良好にする理由とはどういったことなのでしょう。
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マインドフルネス瞑想会 朝活バージョン
テレビなどでも、大企業社員が仕事の前や合間に、みんなでマインドフルネス瞑想をしている様子を見たことがある人もいると思います。仕事の生産性が明らかにあがるということで、マインドフルネスを取り入れているようですが、企業だけでなく個人の朝活でもその効果から多くの人が行っています。具体的にどのような効果があるのでしょうか。
朝から、自律神経が整う
マインドフルネス瞑想で呼吸を整えると、精神が整います。これは身体の自律神経、ホルモンのバランスが整うということ。一例をあげれば、マインドフルネス瞑想を行うと、セロトニンというホルモンが分泌されます。これは幸せ・リラックスを司るホルモンです。このセロトニンが枯渇した状態がうつ状態であるということが分かっています。これらが正常に分泌さえすれば、精神的に安定するのですね。
マインドフルネス瞑想会 朝活の現場
私自身、マインドフルネスの教室を運営しているので、その効果および生徒さんの変化がとてもよく分かります。私の教室のマインドフルネス瞑想会のスケジュールを紹介します。
AM 6:00~ 自分の仕事、勉強など
6:50~ マインドフルネスの知識の勉強
7:15~ マインドフルネス瞑想
7:45 終了
このようなスケジュールです。マインドフルネス瞑想の時間はおよそ30分間。朝からしっかりと自律神経を整えてもらっています。私の教室の例でも、これだけのことをこなして、まだ7時台ということが毎日繰り広げられています。これはものすごく有効に一日が過ごせると思いませんか?
朝活マインドフルネスで人間関係が良好に?
そもそも、マインドフルネスの効果の一つに共感能力が上がる、ということがあります。この効果の理由を紐解いていくと、マインドフルネス瞑想で自分と向かい合う時間を作ることができるから、ということが言えます。人のことを思える時、他人のためを思う時ってどのような時でしょうか。人によって程度は違えど、大前提として、自分の心身が潤っていなければ人に共感することは難しいですよね。そんなことはない、と言いたいところですが、例えば、あなたが普通の状態と風邪をひいている状態の時、感情は変わってきますよね?それが当たり前のことなのですが・・・自分の状況によって感情が変わっている時点で、必ず同じようには他人と接することができていないのです。
人間関係が悪化する最大の要因が相手のことを受容しないこと
人間関係と一口に言っても様々な問題点がありますよね。ただ、ありとあらゆる人間関係の悪化の根本の理由があるのですね。それが、=相手を受け入れない=という態度、姿勢なのです。あなたの周りの人を思い起こしてください。仲が良いと思われる人。その人と意見は違いますよね?そして違って当然です。だって一人一人違う人間なのですから。一見すると、意見が違うからあの人とは合わないと思いがちなのですが、そうではないのです。根本の理由は相手を受容しないということです。再びあなた自身の例に戻った時、あなたの意見がどういうものだろうが、それを受け入れてもらうだけであなたは納得しませんか?相手が意見が違うからといって憤慨したりはしないはず。相手との意見の食い違いはあって当然ですものね。
子どもたちのいさかいの原因も同じ
私は以前に小学校の教員をしていました。当然、子どもたちと毎日接していたのですが、彼ら彼女たちのいざこざの原因もやはり同じでした。多くの子どもたちのいさかい、いざこざの原因を分析していくと、結局のところ相手の話を聞かずに自分のことばかり話す、つまり相手の意見を受け入れない、ということにいきつくということが分かったのです。子どもたちにもこのことを理解してもらいました。つまり、相手の意見を受け入れる、それは何も相手と意見を同じにすることと同意ではない、ということです。これらのことを確認すると、子どもたちもお互いを認め合い、意見を尊重しあったものでした。
他人を受け入れる前に自分を受け入れる
では、どうして他人を受け入れることができないのか。それは、自分が自分を受け入れていないからなのですね。他人の前に自分のことを受け入れることをしないから、人のことなんて、となってしまうのです。自分を受け入れるってどういうことでしょうか。それは自分の良いと思えること、そうでないと思えること。何もかもを全て価値基準判断を外して観るということなのです。違う言い方をすれば客観的に自分を見つめてあげる、ということになります。
自分を見つめる最大の技術 マインドフルネス
そのような時、マインドフルネスが有効になってくるのですね。特にマインドフルネスの瞑想法、呼吸法に注目すると、サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想というものが元となっています。それぞれサマタ瞑想のキーワードは“止める”ヴィパッサナー瞑想のキーワードは“観る”というものなのです。自分というものを止めて観る、これ即ち止観ということが言えます。毎日毎朝、朝活などでマインドフルネス瞑想を行うということは止観瞑想をしているとも言えます。自分を客観的に観て、受け入れるのですね。そして科学的に言えば、そのような状態になっている時に、人間にとって最良のホルモンが分泌しはじめるのです。つまり、自分を受け入れ心身を良好なものにすることで、他人に対しても受け入れ態勢ができるというわけなのです。
まとめ
・朝活&マインドフルネスが流行中。その気持ち良さからやみつきになる人もいます。
・朝から気持ちがいいということは自分の心が整う、即ち他人に対しても整った気持ちで接することができるので、他人を受け入れることができる。そのことが人間関係を良好なものにする。