マインドフルネス

認知行動療法 マインドフルネスの効果で、強迫性障害が治るの?

投稿日:2017年10月31日 更新日:

強迫性障害という病名をご存知でしょうか。

強迫性障害とは、自分でもつまらないとかどうでもいいと思えることなのにも関わらず、どこかでこだわってしまい、日常生活にまで支障をきたしてしまう病気とされています。分かってはいるのに、というのがポイントで、どういうわけだか気になる、つまりつい不安になってしまうことやこだわりによって日常に影響がでてきてしまうのですね。この強迫性障害。マインドフルネスで治ると言われているのですが、実際に私のマインドフルネスの教室でこの病状を克服した方がおられます。その例を元に、マインドフルネスが強迫性障害にどれほど有効であるかを検証していきます。

強迫性障害とは

上記の通り、どうでもいいと分かっていることや、不安に感じることにあえてスポットを当てて、その不安などを増強するというものです。本人としても、なんでこんなことをしているのか、と思っている場合も多々あるのだとか。にも関わらずどうしてもその不安などを自分の中で増強してしまっているのですね。

強迫性障害のサイン、症状

強迫性障害は「強迫観念」と「強迫行為」の二つの症状があります。

強迫観念

頭からなぜだか離れない考えのことをさします。その内容が馬鹿げていたり、自分にとってどうでもいいという状態であるにも関わらず、そのことを考え続けてしまう状態です。

強迫行為

強迫観念から生まれた衝動から行動する行為です。その行為自体、自分にとって何の意味もなさないということが分かっている状態なのに、その行為を行ってしまう状態です。

強迫性障害の例

強迫性障害という名前が少し仰々しいので、名前を聞いた瞬間は少し戸惑いますが、あなたの日常にもあることではあります。

・カギを閉め忘れたかどうかということを気にして、何度も確認してそれでも不安になって一日を過ごす。

・誰かに追われていると思い始め、何度も後ろを振り返る

・手からばい菌が落ちていないのではないか、と何回も手を洗う

このような行動が度を過ぎて、日常生活に支障をきたしだすと、強迫性障害の疑いがあると言われているのです。

強迫性障害の要因

強迫性障害の要因については、成育歴、家庭環境、生まれつきとありとあらゆる可能性が示唆されていますが、今のところ根本的な原因は分かっていないというところが現状のようです。しかし、なぜ症状が進むのか、どのようにすれば改善するのか、といった点については分かってきている部分もあるので、今後のさらなる研究が待たれます。

強迫性障害の治療法

強迫性障害の治療法は二つの観点から治療することで効果を期待することができると言われています。

①投薬による治療

患者の多くは、強い不安感や焦燥感に苛まれている人が多いので、SSRIといううつ病の治療に使われる薬を使います。

②認知行動療法

患者さんが不安の元に立ち向かい、無意味な行動をやらずに我慢するということを練習し、慣れさせるという治療法です。

マインドフルネスで強迫性障害は治る?

心療内科に行くと、ほとんどの確立で投薬治療を勧められます。これには大きな力が働いているので、その功罪はここでは問いませんが、そもそも人間の体のことが投薬治療だけで治るわけがありません。そこで脚光を浴びているのが②の認知行動療法なんです。

第3世代の認知行動療法 マインドフルネス

思考・感情・行動が密接に絡み合い、人間が生活を営んでいる。これがよいスパイラルで流れていけばいいのですが、悪循環に陥ることがあります。思考・感情・行動のどれかがマイナスになると、その他の部分も関連付けられてマイナスに転化していく。このようなことはあなたも経験されていることと思います。そんな状況に陥らないように、思考・感情・行動をそれぞれに明確に分けて、それぞれをしっかりと冷静に認識しようというものが認知行動療法です。

強迫性障害 マインドフルネス実践例

実際、私のマインドフルネスの教室に来られた方の例を紹介します。来られたのは高校生(16歳・女)で、高校2年生の春あたりから、いわゆる強迫観念が迫ってきていたそうです。実際に体感されていたのは、=誰かが銃で自分をつけ狙っているという状態=だったのですね。もともとこの高校生の母親が私の知人でしたので、そのつながりで私の教室に来られました。お母さん自体、娘さんの話を聞けば聞くほどその異常さにおびえ、心療内科に行って「強迫性障害です」と言われた時は内心ホッとされたのだとか。当時のことを振り返ると、病名でもつかなければ本当に娘がおかしくなったとしか言えないような状態だったとのことです。

春から投薬開始 しかし一向に収まらず

そのような経過で、高校2年生の春から通院&投薬を開始したのですが、症状は改善するどころか一向に悪化するばかり。一番の青春時代と言っても過言ではない高校2年生の秋ごろには学校にいけない、受験もやめると言い出す始末。その時、私のマインドフルネスの教室にこられたのです。

マインドフルネス開始わずか1週間 強迫性障害の症状が弱まる

初めて会ったその高校2年生の人は、どこかよそよそしく不安げで、常に何かを気にしている様子でした。そこで彼女に以下のこと1週間行うよう伝えました。

1、マインドフルネス瞑想を毎日朝晩行う

2、朝早く起きて、歩く

この2点です。不安を感じたり、何かあった場合には、これまで服用していた薬をいつも通り飲むようアドバイスもしました。

すると、ものの1週間で状態が劇的に改善。私の教室に来たその日から薬も一切服用しなくなり、一月も経たないうちに完全に普通の状態にまで回復しました。本人、そして周りの反応を見ても、まさに狐につままれたような感覚のようで、一体あれは何だったのか、と今でも言っています。

マインドフルネスが強迫性障害に効果をあげた理由

実際に本人の変化を私自身も見ていますし、なにより彼女の双子の姉妹が間近でその変化を目の当たりしています。なぜ、私と何もかも一緒であるはずのこの子は苦しんでいるだろうか、何をいっているのだろうか、と常に疑問に思っていたのだそうです。その一番身近な彼女から見ても、その明らかな変化に驚きを隠せない様子でした。

マインドフルネス瞑想+早起きにより自律神経を整えた

一番の理由はこれだと思います。全ては自律神経が司っているといっても過言ではないくらい、自律神経が何もかも関連してくるのです。自律神経、つまり人間が人間らしく生きていくための最適なホルモンなどをきちんとでるようにしただけなのです。半年ほど服用していたSSRIは副作用が少ないと言われていますが、当然その成分は自然のものではありません。心身共に依存をしていくことで、それなしでは生きていけなくなる恐れもあります。やはり人間の自分で治す力、通常の状態に維持をしようとする力を使う方が有効だと考えれます。

薬をやめた

上でも記しましたが、薬は所詮その場しのぎのものであって根本的な解決には至らないのです。また、別に薬が必要でない人に医者が処方して、どんどん薬を飲ませているという話も実際に聞きます。そのような観点からも、自分の身体は自分で守るということが大切になってきます。

まとめ

・マインドフルネスは認知行動療法の第3世代と言われている。

・マインドフルネス瞑想で、強迫性障害を改善の方向に持っていくことができる。




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