お中元の季節になってきましたね。
お中元は日頃お世話になっているかたへ感謝を伝える挨拶がわりの贈り物です。
お中元をいただいたらお返しをするかどうかの前にまず必ず「お礼」を伝えましょう。
最近では電話やメールでお礼を伝える方もいるようですが、お中元のお礼は「お礼状」を書いて送るのが正式なマナーです。
お礼状の基本的な書き方やマナー、文例をまとめてご紹介します!
Contents
お中元のお礼状の書き方やマナーは?
そもそも『お中元』は、普段はすぐに会えないような遠方に住んでいる両親や親戚、お世話になった恩師や習い事の先生などに日頃の感謝の気持ちを伝えるために贈るものです。
中元はちょうど1年間の折り返し時点になりますので、「半年間ありがとうございました」という感謝と「暑い夏を乗り越えて元気にお過ごしください」という気持ちを込めて贈るものになります。
基本的にはお中元のお返しは不要とされていますが、お返しをするかしないか決める前に、お中元をいただいたらまずは「お礼」を伝えることが何よりも大切です。
お中元のお礼は電話やメールでも良い?
お中元が届いたら、まずはできるだけ早くお礼を伝えるのがマナーです。
親しい間柄であれば電話でお礼を伝えても失礼にはなりません。
友人などであればメールでお礼を伝える方も多いですよ。
しかし、電話やメールは略式で正式なお礼の伝え方ではありません。
目上の方や、ビジネス関係でのお中元では電話はメールはNGです。
正式なお礼状は縦書きの封書で書きますが、ハガキで書いても問題はありません。
会社でたくさん送る場合は印刷での良いですが、手書きで書く方が気持ちも伝わりやすく温かみがありますよ。
ハガキで送る場合は、短い文章で良いので書くことが少ないのであればハガキでも良いですが、第三者に読まれてしまうこともあるので書く内容には注意が必要です。
反対に、文章が長くなりそう、他の方に内容を読まれたくない、というのであれば封書の方が良いでしょう。
*ハガキは「かもめーる」でもOKです。
夏らしいイラストが入っているものも良いですよ。
お中元のお礼状はいつまでに出す?
お中元をいただいたら、お礼はできるだけ早く伝えましょう。
特に生ものや冷凍食品などを贈ってくれた方は、ちゃんと届いたのかも心配になります。
無事に届いたということを伝えるためにも、お礼状は早い方が相手にとっても嬉しいです。
お礼状は遅くても2,3日以内には出すようにしてください。
旅行や出かけていて受け取るのが遅くなってしまうこともあると思いますが、その場合は受け取ってすぐに電話でお礼を伝え、後日お礼状を書いても良いでしょう。
お中元のお礼状の書き方(基本的な構成)
お中元のお礼状を書くときの基本的な構成は次のようになります。
(封書に書く場合も同じ)
お礼状の基本的な構成
①頭語(拝啓、謹啓など)
季節を表した時候の挨拶
②お中元をいただいたお礼と具体的な感想
③先方の健康を気遣う言葉
④結びの言葉
結語(敬具、拝具、謹言など)
⑤日付 自分の名前
書くときのポイントは、
- 自分だけでなく家族も喜んでいることを書く
- 具体的なエピソードなどあれば喜ばれる
- 「残暑御見舞」として出すなら、①の頭語と結語は不要
①頭語、時候の挨拶
頭語とは、手紙の一番初めにくる「こんにちは」「ごめんください」等の挨拶にあたるもので、一般的に知られているものとして「拝啓」「前略」などがこれにあたります。
拝啓、謹啓、前略など *一般的なのは「拝啓」、目上の方には「謹啓」がよい
「時候の挨拶」の後に「相手の近況を尋ねる挨拶」が続きますので、「時候の挨拶+相手の近況を尋ねる挨拶」をセットで書きます。いくつか例をあげますので参考に、組み合わせてください。
【7月に使える時候の挨拶】
- 盛夏の候
- 梅雨明けと同時に暑さも本格的になりましたが
- 暑気厳しき折柄
- 涼風肌に心地よく
- 梅雨明けが待たれるこの頃
【8月に使える時候の挨拶】
- 厳しい暑さが続いておりますが
- 残暑厳しき折
- 土用明けの暑さ一段と厳しき折から
- 暑さもようやく峠を越え
- 残暑がひときわ身に染む毎日ですが
【相手の近況を尋ねる挨拶】
- いかがお過ごしでしょうか
- 皆様にはにはますますご活躍のこととお喜び申し上げます。
- 皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?
- 貴社ますますご繁栄(ご発展/ご健勝)のこととお慶び申し上げます。
②お中元をいただいたお礼と具体的な感想
まずは、お礼や感謝の言葉を書きます。
その後に自分だけでなく家族も喜んでいること、具体的なお中元をいただいたことのエピソードがあれば相手の方にも喜んでもらえますよ。
- このたびはご丁寧なお心づかいを頂き、本当にありがとうございました。おいしいアイスクリームの詰め合わせに、子供達も大喜びで家族であっという間に頂いてしまいました。
- この度は丁寧なお中元の品をお贈り頂き、誠に有り難うございました
- いただいた○○は家族全員の大好物ですので、早速頂戴いたしました。非常に美味でした。
③先方の健康を気遣う言葉
暑い夏を元気に過ごしていただけるように、相手の体や健康を気遣う言葉を書きます。
- 暑さ厳しき折から、ご自愛のほどお祈りいたします
- まだしばらくは厳しい暑さが続きますが体調にはくれぐれもお気をつけ下さいませ
- 皆様のますますのご健勝と貴社のご繁栄を祈り申し上げます。
④結びの言葉、結語
最後に締めの言葉を書きます。
- お礼まで
- 略儀ながら書中にてお礼申し上げます。
- まずは取り急ぎお礼まで
- まずは略儀ながら、お礼まで
始めに「頭語」を使っている場合は「結語」も書きます。
敬具、謹言、拝具 など
お中元のお礼状の文例(個人用・ビジネス用)
すぐに使えるようなお中元のお礼状の文例をいくつかご紹介します。
そのままでも良いですし、自分に合うものをアレンジされても良いと思います。
【個人用】
拝啓
暑さ厳しき折 皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
おかげさまで私たちもつつがなく暮らしております。
さて、この度はお心のこもったお品を頂き、本当にありがとうございました。
いつもながら細やかなお心づかいに恐縮するばかりです。
暑さはまだまだ続くようです。皆様どうぞご自愛ください。
略儀ながら書中にてお礼申し上げます。ありがとうございました。
敬具
平成○○年○月○日
(自分の氏名)
【個人用】
拝啓
厳しい暑さが続いておりますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?
さて、このたびは御丁寧な御挨拶とともに大変結構なお品をお贈りいただき、誠にありがとうございました。
いつも私どものほうがお世話になっておりますのに、お心づかいをいただき恐縮しております。
いただいた○○は家族全員の大好物ですので、早速頂戴いたしました。非常に美味でした。
暑さ厳しき折から、御自愛のほどお祈りいたします。
まずはお礼まで。
敬具
平成○○年○月○日
(自分の氏名)
【仲人をしてあげた夫婦へ】
拝啓
盛夏の候 いかがお過ごしでしょうか。
さて、この度はお心のこもったお品を頂き、本当にありがとうございました。
いつも貴家のご両親様には大変お世話になっておりますのに、このたびのお二人からのお心遣いに恐縮しております。
常日頃から貴家の仲の良い親子関係をぜひ見習いたいと、妻の○○と話しております。
皆様御一家とのおつき合いは私どもの悦びではございますが、今後はどうかあまりお気づかいになりませんようお願い申し上げます。
暑さ厳しき折から、ご自愛のほどお祈りいたします。
略儀ながら書中にてお礼申し上げます。ありがとうございました。
敬具
平成○○年○月○日
(自分の氏名)
(妻の名前)
【仲人をしてもらった方へ】
拝啓
暑気厳しき折柄、〇〇様ご夫婦にはますますご壮健にてご活躍のこととお喜び申し上げます。
この度は、結構なお中元の品を頂きありがとうございます。いつもお気遣い頂き、誠に感謝しております。
新生活も落ち着いてまいりましたので、近日中にお二人をお招きしたいと存じます。
まだまだ未熟な二人でございますが、今後ともご指導のほど宜しくお願い申し上げます。
略儀ながら書中にてお礼申し上げます。
敬具
平成○○年○月○日
(自分の氏名)
(妻の名前)
【ビジネス用】
拝啓
残暑厳しき折ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、この度はご丁寧にも結構な品をご寄贈賜わり、誠にありがたく厚く御礼申し上げます。
貴社のますますのご発展をお祈り申し上げますとともに、今後いっそうの御交誼のほどお願いいたします。
略儀ながら書中にてお礼申し上げます。
敬具
平成○○年○月○日
まとめ
最近はお中元を贈る方も少なくなってきておりますが、昔からの習慣ですので、お世話になっている方や、ご挨拶に行けていない方がいるのであれば夏のご挨拶としてお中元を贈られると良いと思います。
お中元が基本的にお返しが不要なのと同様に、お礼状も返信は必要ありません。
しかし、電話やメールなどで「ご丁寧にお礼状をありがとうございました」と連絡をしても失礼にはなりませんので、目上の方などからお礼状が届いた時などには電話をしてもよいかもしれませんね。
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