11月の年賀はがきの販売が始まると、もう今年もあと2か月なのだと感じます。
私はこの頃から、「お歳暮は何にしようか?」と考え始めます。
お歳暮などの贈り物などは非礼の無いようにと気を使いますよね。
おつきあいのマナーが大切ですので、今回はこの「お歳暮」について色々と調べてみました。
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お歳暮の時期はいつからいつまで?
お歳暮を送る時期は、12月初旬から12月20日頃までに先方に到着するように送ります。
12月13日がお正月の準備を始める「事始め」と言われるので、地方によっては、この日に送る風習がまだ残っています。
関西と関東では多少送る時期の目安が違ってきます。
一般的には以下の期間に送るのが目安だとされていますよ。
関西 12月13日~12月31日
関東 12月初旬~12月31日
最近は、11月中旬からお歳暮を取り扱っているデパートも増えており、11月下旬頃に贈り始める方も増えているようです。
年末にかけての用事は忘れないように先に済ませるという事かもしれません。
12月20以降はお正月の準備があり、何かとバタバタと忙しくなる方も多いですし、最近では年末年始を海外で過ごすという方もおらっしゃいます。
早めに送っておく方が迷惑にならないので、どこの地域に送る場合でも遅くても12月20日頃までに送っておく方が良いですね。
そもそも「お歳暮」はなぜ贈るの?
お歳暮を送るようになったのは、古くは年越しの「御霊祭り」のお供え物という事でありました。
現在は、この1年の間にお世話になったことのお礼として、そしてまた来年も同様にお付き合いして頂けるようにという気持ちを伝えるために送ります。
お世話になったお礼としての贈り物は「お中元」と「お歳暮」と年2回の時期があります。
「お中元」は夏の時期に送り、半年のお世話になったことへのお礼として送りますが、1年に一度しか送らない場合には1年の締めくくりとして「お歳暮」を送ります。
お歳暮を贈った方が良い相手とは?
お歳暮を贈った方が良いとされる相手は、日頃お世話になっている方や、この1年の間でお世話になった方になります。
例えば、仕事関係の方、両親、兄弟姉妹、親戚や仲人さんなどへ送ります。
逆に、公務員の方に送るのは控えた方がよいです。
公務員は、法律によってお歳暮などを受け取ってはいけないと定められています。
場合によっては賄賂だと思われ、受け取った相手が罰せられる可能性もあるので、公務員に贈ることはやめましょう。
相手に迷惑がかかってしまう場合があるかもしれません。
相手や自分が喪中の場合のお歳暮はどうする?
お歳暮はお祝いではないので、双方とも喪中であっても送ることができます。
但し、49日までは避けた方がよろしいでしょう。
また、「お歳暮」という言葉が気になるようであれば、「粗品」「お礼」と記載して、のしを付けるとよいです。
のしは、白い無地のものを使います。
さらに、送る側が喪中の場合には、華やかな物は控えた方が無難です。
お歳暮を贈り逃してしまった場合は?
年内にお歳暮を贈り逃してしまった場合は、松の内(1月7日)までの間は、「御年賀」として、相手方へ挨拶の訪問時に持参するか、郵送します。
関西の場合は1月15日までに「御年賀」として準備します。
松の内、1月15日を過ぎてしまった後は、「寒中見舞い、寒中おうかがい」として立春(2月4日頃)までに送るようにしましょう。
お歳暮の金額の相場は?相手によって金額は変わる?
一般的なお歳暮の金額の相場は?
お歳暮の品物の相場は、おおよそ3000円~5000円が相場です。
毎年同額で構いません。
特にお世話になったような場合には金額を上げようと思う事も考えられると思いますが、その後金額を減額するのは失礼にあたりますので、気を付けましょう。
また、あまり高い品になりますと相手にも無用な気遣いをさせてしまうことになるので、ほどよいバランスの金額にしておきます。
贈る相手に応じて金額を変える方が良い?贈り先別の金額の相場
地方によっては何らかの風習があるかもしれませが、必ずしも相手によって金額を変える必要はありません。
お歳暮は、「1年の感謝の気持ち」が大切です。
例えば、身内は¥3000、会社の同僚等は¥5000と分けてもよいでしょう。
同一金額にしても何ら問題はないです。
金額を先に設定するのではなく、相手の嗜好を考えて送る品物を候補にあげてみると自然と金額が出てくることでしょう。
お歳暮の選び方のポイント!定番や人気の贈り物は?
お歳暮はどこで購入する?
以前は、大手の百貨店や大型ショッピングセンターなどで購入している方がほとんどでした。
日本人は包装に気を使うことが多いので、わざわざ出掛けて行って手渡しで贈ることが多かったのです。
近年は、ネットで簡単に注文して配送手配できるようになってきたので、ネットで注文して購入する事が多くなってきています。
また、郵便局やコンビニでも大手百貨店のカタログ通販の商品も取り扱っている場合があります。
買いに行く時間がない場合にはとても便利で、利用する側には人気の依頼方法です。
配送をする場合には、品物が届く前に送り状を出して、いつ頃届く予定かを相手に知らせるのがよいでしょう。
本来であれば持参し、直接お礼を申し上げる事なので連絡は入れておいた方が良いでしょう。
お歳暮の贈り物を選ぶときの注意点は?
お歳暮では贈らなう方が良いものもありますので、贈り物を選ぶ時には注意して選ぶようにしてください。
数点ありますので、気を付けましょう。
- 履物、マット
⇒踏みつけるという意味 - はさみ、刃物
⇒縁が切れるという意味 - 花・植物
⇒花言葉で不吉なものがあるので調べてから - 4・9の数になっているもの
⇒忌み数字で不吉な意味も
特に年配の方はこういったことも気になり、不快な思いをされることもありますので気をつけましょう。
定番や人気のお歳暮の贈り物は?
どういったものを贈れば良いのか迷っている方は、定番のものや人気の高いものを贈られると失敗はないと思いますよ。
相手の好きなものが分かるなら、相手の好きなものを選ばれると良いですね。
ご馳走
■カニ
普段、家庭では金額的に手を出しづらい商品なので、贈りものでいただくと喜ばれます。
■肉
牛肉が人気です。
ご当地の牛肉なども人気なんでどうでしょうか?
■海の幸
おせちに利用できるものや珍しい珍味が喜ばれますが、相手の嗜好を確認した方がよいでしょう。
スイーツ
■スイーツ・洋菓子
お子様のいる家庭には特に喜ばれるでしょう。
■和菓子・お煎餅
こちらもあまり嫌いな方は見かけないので、無難な贈り物です。
飲み物
■お酒、ビール
お酒には好みがあるので、好きなものを考慮して下さい。
■コーヒー、ジュース・お茶・お水
保存がきくので、こちらも無難な贈り物です。
食事
■フルーツ・野菜
季節の旬のものを!普段手にしない少し高価なものや品質のよいものを贈りましょう
■うどん・そば・麺類
質のいい銘柄を選ぶのもよいでしょう。
寒い季節に喜ばれます。
■調味料・油・缶詰・酢
重たいものなので、頂くと買いに行かなくてよいので重宝します。
使うものなので必要ない、とううことはないですよ!
■つけもの・お惣菜・お米
毎日の食卓に欠かせませんので、贈り物にふさわしい少し高価なものがおすすめです。
その他
■カタログギフト
相手が欲しいものを手に入れることが出来ますが、その分手をわずらわせてしまうので、送る相手を見極めて送って下さい。
■商品券
以前は目上の方には失礼とされていました。
最近は贈っても問題ないような風潮になってきています。
※その他、全国の名産品、鍋セット、健康ギフトなども人気ですよ。
参考URL:https://event.rakuten.co.jp/oseibo/
食料品が多いです。
食べて、なくなってしまうものが人気の秘訣なのでしょう。
時節柄、頂き物が多くなりがちなので少し日持ちのするものがよいです。
嗜好などがよくわからない場合には、健康を考慮した品もおすすめです。
お歳暮にのしは付けた方が良い?
「のし」とは、「のしアワビ」の略で、昔の不老長寿の象徴とされたアワビの身を削いで干した物の事です。
現在は、「折のし」といって紅白の紙を折り、その中に短冊型に切った、黄色い紙を包み込んでいますが、この黄色い紙片が「のしアワビ」になります。
お歳暮を含む一般の贈答品では、紙にこの「のし」が右上に印刷されていて、水引も印刷されている紙を「のし紙」と言っています。
その年のみお歳暮をお送りする場合には、「お歳暮」とは書かず、「お礼」「粗品」と記載します。
また、海産物などを送る場合には、「掛け紙」(進物の上包に用いる紙)を使用します。
もともと「のし」というのはアワビを干したもので、海産物そのもののため、生ぐさ物が二重になってしまうからです。
しかし、現在は酒肴品にも「のし」を付ける傾向があります。
のし紙の掛け方は、控えめに送る場合は、先にのし紙をかけて、あとから包装します。(内のし)
直接お伺いするような場合には、包装してからのし紙をつけるようにします。(外のし)
現在は、エコを強調して、包装をしないでそのままのし紙を付けることも多くなってきました。
それでも、手渡しする場合には包装をしてもらった方がよいでしょう。
一般的に、お歳暮に使用するのし紙は、
「紅白の蝶結びの水引」が印刷されている物を使用します。
※喪中の時には、のしはつけません。
下には送り主の名前を書きましょう。
苗字だけよりも、下の名前も書く方が誰からか分かりやすいので丁寧です。
まとめ
お歳暮は1年の感謝の気持ちで贈るものです。
家族構成、嗜好、お付き合いの程度も考慮して相手の立場にたって、品物を手配しましょう。
受け取った側に気を使わせない程度が良いですね。
日本人は、包装を大事にするので、以前は百貨店から送ることが多くありましたが、現在は見かけにこだわらずに、自分で使ってよかったものやおいしかったものを贈るというのもおすすめです!
*参考文献
■「高島屋しきたり事典
老舗百貨店の門外不出「贈答おつきあい」教本」
株式会社高島屋 著
株式会社高島屋 発行
■「きちんと知っておきたい おつきあいのマナー新事典」
朝日新聞社 著
朝日新聞社 発行
■広辞苑 第7版
新村 出 編
株式会社 岩波書店