海水浴は楽しいですが、自然の中で遊ぶのには危険なこともあります。
海には「クラゲ」が生息しているので、海水浴の時期や場所などによってはクラゲがたくさん発生しているところもあります。
クラゲに刺されたことがある方には分かると思いますが、一度刺されたら海に入るのが怖くなってしまう方がいるほど痛いです!
もし、海水浴中にクラゲに刺されてしまった場合には、どうすればよいのかをまとめました。
効果のあると言われている市販薬についても紹介しています!
Contents
海水浴でクラゲに刺されたらどんな症状が出る?
クラゲが発生しやすい時期は?
クラゲは海の生き物なので一年中海に生息していますが、一年の中で8月~10月頃が1番クラゲがたくさん発生すると言われてます。
8月~10月頃の海水温度(約20~30℃)がクラゲの成長に1番適しているからなんだとか。
特にお盆以降はクラゲは多くなるとされていますので、夏休みなどに海水浴に行く時にはクラゲ対策が必要ですよ。
日本近海には数種類のクラゲが生息しています。
中には、刺されて痛くて腫れるものから、神経を麻痺させたり、死に至ってしまうものもいるので注意してください!
毒性の弱いクラゲに刺された時の主な症状
クラゲの種類と共に、どのような症状がでるのかをまとめました。
毒性の弱いクラゲ
- ミズクラゲ
- アンドンクラゲ
この2種は比較的毒性は弱いクラゲです。
弱いといっても刺された時には痛いですよ!
ミズクラゲ
日本近海でも最も観察できるクラゲで、6月~8月頃に多く発生します。
成体で傘の直径15~30cm
【刺された時の症状】
・刺されてもほとんど痛みを感じることはない
・刺されたら、チクッとしたり、ピリピリする程度
・肌が弱く敏感な方は触れるとかゆくなったり、腫れたりする
アンドンクラゲ
画像引用:https://matome.naver.jp
関西~北海道付近にまでやってきます。
6月~9月頃に多く発生しお盆の頃に多くなるので、お盆以降は特に注意!
名前の通り行灯を思わせるような傘を持つ体長3~3.5cmほどの小型のクラゲ(触手は20cm)
【刺された時の症状】
・刺されると激痛を感じる
・患部はミミズ腫れのようになります。
重症になることは少ないです。
毒性の強いクラゲに刺された時の主な症状
毒性の強いクラゲ
- アカクラゲ
- カギノテクラゲ
- カツオノエボシ
- ハブクラゲ
このクラゲは死亡例があるほど毒性が強いものもあります。
見つけた時には速やかにその場を離れましょう!!
アカクラゲ
春から夏にかけてたくさん発生します。
傘が赤っぽいのが特徴で、傘の大きさは15~20cmほど、触手は1m以上にもあります。
【刺された時の症状】
・火傷のように強い痛みを感じる(しばらくしびれや痛みが続きます)
・患部はみみず腫れや水膨れになってします。
一度刺されたとこがある方は、再び刺されてしまうとアナフィラキシーショックで呼吸困難や命に関わる可能性があります!
死骸にも毒は残っているので、砂浜の死骸にも決して素手で触ってはいけません!
カギノテクラゲ
画像引用:http://www.nagoyaaqua.jp/kaio/2017080113300550.html
3月~9月頃にかけて発生し、春から夏にかけアオサなどの海藻の間に多く生息しているクラゲです。
直径1~2cmの浅い椀状の傘をしており、触手は90本以上ある(大きなものは直径15cmほどになる)
【刺された時の症状】
・刺された時にはそれほど痛くない場合がある
・刺されてから1時間ほどしてから症状が表れることも多い
・神経毒が強いので、全身症状により喘息の様な咳、鼻水、腰痛・筋肉痛、吐き気、頭痛、痙攣、寒気、チアノーゼを引き起こすことが知られています。
カツオノエボシ
画像引用:https://matome.naver.jp
猛毒をもち「電気クラゲ」の別名があり、ヒドロ虫の仲間に属しクラゲではありません。
日本では本州の太平洋側沿岸でよく見られる、大きさ約10cmほどの透き通った藍色の浮き袋をもちます。
3月~8月頃に発生しますが、遊泳力はほとんどありません。
【刺された時の症状】
・刺された時には電気ショックのような痛みが起きる
・触手の毒性はとても強く、患部は炎症を起こして腫れ上がり、痛みは長時間続くきます。
・頭痛、吐き気、倦怠感、微熱等の症状
・二度目に刺されるとアナフィラキシーを起こし、ショック死する危険があるといわれています。
ハブクラゲ
沖縄や奄美諸島などにしか生息していません。5月~10月頃にかけて発生し、泳ぐのが速いので海で見かけたらすぐに逃げましょう!
傘の直径は10~15cmほでで、触手は1.5m以上に伸縮します。
【刺された時の症状】
・刺されると激痛
・患部はみみず腫れになります。
・意識障害や呼吸困難、心停止に至ることもあり、過去に死亡例が3件あります。
非常に強い毒性をもっている危険なクラゲです!
海水浴でクラゲに刺された時の応急処置の方法は?
もしクラゲに刺されてしまった時にはどうすればよいのでしょうか?
クラゲの種類によって対処方法は違う場合がありますが、まずはどのクラゲにも共通してやった方が良い対処法をまとめました。
クラゲに刺されてしまったらすること
- 刺されたところを海水で洗う
- 刺胞がついていれば剥す
- 患部を冷やす
刺されたところを海水で洗う
クラゲの触手には刺胞という毒バリのようなものがあります。
刺された場合、その刺胞が肌に残っていることがありますので、海水で良く洗い流すことで取り除くことが出来ます。
クラゲの触手には、刺胞と呼ばれる小さな袋がたくさん付いていて、この中に毒液の詰まった針(刺糸)があります。本来はこの刺糸を使って小魚などを捕らえ、食べているのですが、人が触手に触れることでも刺糸は発射されてしまいます。
(くらげの触手表面のイメージ↓)
画像引用:https://logmi.jp/88971
この時に水道水などで洗う方がいますが、海水以外の真水で洗うのはNGです!
海の生き物であるクラゲの刺胞は、真水は浸透圧の影響により刺胞が刺激されさらに刺胞から毒針を出すかも知れません。
体に毒が回りやすくなるので必ず海水で洗ってください。
刺胞が付いていれば剥す
刺された患部に刺胞が付いていれば、刺胞が手で取れそうならぺリぺリと剥してください。
素手で触ると危ないかもしれないので、タオルやビニール袋などの上から取るようにしてください。
ピンセットや毛抜きなどがあるのであれば、そういったものを使う方が安全です。
刺された患部を冷やす
クラゲの毒はタンパク毒です。
温めるか冷やすかしてたんぱく質の活動を抑えれば良いとされています。
特に温めて熱変性を起こしてしまえば良いと言われていますが、素人では熱処置が難しい事もあるので、保冷剤などがあれば冷やして痛みを和らげましょう。
ひどい時は迷わずお医者に行きましょう。
クラゲに刺されたら「酢」や「尿」をかけるのは?
クラゲに刺されたら「酢」や「尿」をかけると良いということを聞いたことがありませんか?
これはクラゲの種類によっては有効だとされていますが、何の種類のクラゲか分からない場合はやめた方が良いでしょう。
沖縄などに生息しているハブクラゲ、アンドンクラゲには「酢」が効くようですよ。
「尿」に含まれているアンモニアがクラゲに効くと言われていますが、人によって尿の成分は違いますので、場合によっては刺胞を刺激することになるのでやめましょう。
クラゲに刺された時に効く市販薬はある?
クラゲに刺されて症状が続いたり、ひどいようなら皮膚科などで診てもらうのが1番安心だと思います。
皮膚科なら症状に合わせて薬を処方してくれますよ。
しかし、すぐに病院に行けない場合もあると思いますので、そのような時にはかゆみ・腫れ・炎症などを抑える市販薬を使いましょう。
そのままにしておくと、治るのに時間がかかったり、跡が残ってしまう原因にもなってしまいます。
クラゲに刺された時には「抗ヒスタミン成分」か「ステロイド成分」が入っている塗り薬が効くと言われています。
抗ヒスタミン成分:かゆみを抑える(炎症は抑えられない)
ステロイド成分:炎症やかゆみを抑える
*小さいお子さんの場合は、ステロイド成分配合のものを使いたくないという方もいると思います。成分を確認してから使用するようにしてください。
クラゲに刺されたときに効く市販薬
クラゲに刺されたときに効果がある成分が配合されている市販薬をいくつかご紹介します。
クラゲ以外にも、虫刺されで使えるものが多いので、レジャーで一つ持っておくと安心ですね!
ムヒアルファEX
かゆみを抑える「ジフェンヒドラミン塩酸塩」に加え、炎症を鎮める成分も配合されているので、赤く腫れあがった患部をかゆみや腫れに効きます。
体ムヒS2a
かゆみを抑える成分「ジフェンヒドラミン塩酸塩」と、炎症を抑える成分(デキサメタゾン酢酸エステル)が配合されているので、かゆみや腫れに効きます。
液体タイプなので使い勝手も良く、蚊などの虫さされにも使いやすいですよ!
テトラ・コーチゾン軟膏
痛みとかゆみを鎮め、炎症作用もあるので、クラゲや虫に刺されたときに便利な塗り薬です!
化膿を伴う湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましんなど幅広く使うことができます。
フルコートF
かゆみを鎮め、消炎作用もあり。抗生物質も含まれている。
「フルコートf」は、ストロングランクの外用ステロイドであるフルオシノロンアセトニドを配合。優れた抗炎症作用で「炎症の悪化サイクル」を断ち、赤み、腫れ、かゆみなどの症状を抑え、かき壊しによる悪化を防ぎます。
非ステロイドのかゆみ止め市販薬
ステロイド成分が含まれていない市販薬を使いたい、という方は以下の市販薬を使ってみると良いと思います。
ステロイド成分が含まれていないので、炎症を鎮める作用はありません。
効き目もステロイド成分が含まれているものに比べると弱いかもしれませんが、かゆみは抑えることができるので、掻きこわしたりしすることは防ぐことができると思います。
非ステロイドのかゆみ止め市販薬
- ウナ・コーワクール
- ムヒS
まとめ
海水浴に行く時には、時期に関わらずクラゲが出てくる可能性は0ではありません。
刺されないように、ラッシュガードやマリントレンカなどで肌の露出を避けたり、クラゲがいそうな海藻の近くには行かないようにしてくださいね。
市販薬を一つ持っておくと、万が一の時にも役立つと思いますよ!
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